こたつがひとつ

「つか、誰この脚、めっちゃ邪魔なんだけど」
「いって、蹴んなよネギ」
「三上か、お前の脚さっきから俺の太ももの上にあんだよ、激しく邪魔ー即刻退去ー」
「けちけちすんなよ、脚だるいの、上げといた方がいいんだよ」
「じゃー座布団にでも乗っけとけ、何で俺」
「ねー渋沢みかんとって」
「机の上にあるのはリモコンとティッシュと新聞と三上のメガネのみだ」
「ビタミンの取れない誰かのメガネなんてどうでもいいっつーの、たくもーコタツ力半減じゃん」
「遠まわしに喧嘩売ってんのかお前は」
「みかんなら食堂にあんじゃねえの、あそこの人誰か愛媛出身だとか言ってなかった?去年配ってたし」
「いや知らない、近藤なんでそんなこと知ってんの」
「え?別に普通に待ってるときとか」
「さっすがおばちゃんキラー」
「さっすがー、じゃあおばちゃんキラーみかんもらってこい」
「マジ絶対やだ、俺みかんそこまで食いたくねえし」
「あーのど渇いたなー」
「じゃあネギ自販行ってきてよ、俺ウーロンね、そんでみかんも」
「コーヒー。ボスな」
「じゃーポカリ」
「俺は緑茶で」
「俺もコーヒー、でも左の自販のやつ」
「左って紙コップのやつじゃん、こだわり?」
「金ないの、マジで金ないの」
「ホラ、ネギちゃん行ってき・・・うっわ」
「何どしたの」
「信じらんねー寝てるよこいつ」
「サイテーもう俺の喉はポカリになってたのに、起こせ」
「こっからじゃ微妙に手が届かないんだよ、あーもうめんどい三上、ゴー」
「なにがゴーだ、俺はテレビ見てんの、うわーおもしれー」
「愛子様がそんなに?亮ロリコン?」
「もうロリコンで・・・!!藤代くん、いいとこに」
「へ?」
「さっすが武蔵森のエースストライカーは読みが違うね」
「え、ちょ、なんスか??」
「ウーロン」
「コーヒー」
「ポカリ」
「緑茶」
「カップのコーヒー」
「俺もポカリ!あとみかん」
「うっわお前たぬき寝入りか、きたねえな」
「ちょ、なんスか!買って来いってことですか???」
「ううん、みかんはもらって来い、食堂で」
「食堂!?今もうあっち暖房切れてんですよ!?」
「右の調理場入るとこからすぐ奥にあるダンボールね」
「なんなんスか、もう本当になんなんスか!!」